1190人が本棚に入れています
本棚に追加
「そのブレスレットは人間の匂いを消すと同時に、魔力でお前を守る。」
ライがくれた、ブラックスカルの付いたブレスレット。あたしはいつも身に付けてる。
「だから外したりするなよ。」
って、ライがあたしの頭を優しく撫でた。
「うん、わかった。」
ブラックスカル。
これはライの代わりなのね。
「よし、街に行くぞ。」
と、ライは体を反転させて歩き出した。
あ、待ってよー!
あたしはライの後を追いかける。
まあ、今は魔界のお祭り楽しんじゃおーっと!
…………
少し歩くと、レンガ造りの家がたくさん見えてきた。
さっき小川で聞こえてきたアコーディオンの音がさらに大きくなってくる。
家と家の間の細い道を抜けると、大きな広場についた。
「わあ。」
そこはたくさんの人々で賑わっていた。
広場の中央には、大きな噴水があった。
その噴水の前で、ピエロみたいな格好をした人がアコーディオンを弾いている。
ピエロの回りには見物客が集まっていて、みんな音楽に合わせて手拍子を叩いていた。
他には、バザールのように小さなお店がたくさん出ていて、人々が楽しそうに会話をしている。
広場の周りにある複数の街灯には、赤い旗が付けられていて。よく見ると、その旗にはブラックスカルのマークが描かれていた。
「ライ!あの旗、ブラックスカルが付いてるよ!」
「あたりまえだろ。誓いの儀100日前の祭りなのだから。」
ライの家って、本当にすごいんだね。
最初のコメントを投稿しよう!