魔界へ行こう

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「誓いの儀ってさ、具体的には何をするの?」 「そう言えば、まだ説明していなかったな。」 ライは思い付いたように話し出した。 「誓いの儀は、王位継承の儀の前に行われる儀式。王位を継承する者とその伴侶となる者が、共に誓いを交わす。」 誓い… 「継承者は王となること、そして伴侶を妃にすることを誓い、同時に、伴侶は妃となること、継承者と共に魔界を統べることを誓う。」 ちょ… 魔界を統べるって… あまりの事の大きさに動揺するあたし。 「だが、今回は異例だ。」 ライの声が低くなる。 「言っただろう。俺には同じブラスト家の血を継ぐ双子の弟がいると。」 そうだった。 ライは双子。 今年はまれに見る王位継承者争いが起こるって前に言ってたっけ。 「どちらが次期王にふさわしいか、誓いの儀で決める。」 「どうに決めるの?」 「ブラスト家に伝わるブラック水晶を使うことになる。」 なにそれ。 次から次へとややこしいなあ。 「まあ、あの弟などには負けはしないがな。」 ライは自信満々に微笑んだ。 「ライの弟さんって、どんな人?ライに似てる?」 あたしが尋ねた瞬間、前方から叫び声が聞こえた。 「キャー!ライ様よ!」 「本当だ!ライ様、いらしていたんですか!」 ライは大勢に囲まれてしまった。
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