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な、なんなのこの騒ぎは!
「ライ様ぁ、もうお相手は決められたのですか?まだでしたら、私のこと…」
「いいえ私の方がふさわしいわ。私、マリス家の娘なの。ライ様のお家とは、親しいですし…」
「なに言ってるの、私の方が…」
うわああー!
ライってば、超モテモテ。
あたしはぽつんと1人、群の外でライが女の子たちに囲まれているのを見ていた。
すると。
「ライ様、人気だよな~。」
しゃがれた低い声が聞こえた。
振り返ると、そこには毛むくじゃらの恐ろしい生き物が。
頭は完全に狼なのに、服を着ていて2本足で立っている。
狼男!?
あたしはビックリしすぎてまじまじと見つめてしまった。
「ん?お前、魔女か?ここら辺じゃ見かけない顔だけど。」
ひいっ!
あたしに話しかけてる!
「は、はい!魔女です。あはははは…」
「魔女じゃ、ライ様のお相手にはなれねぇな。なれるのは同じヴァンパイアだから。」
そ、それは重々承知してます。
そしてあたしは人間です。
「ルウ様はもうお相手を決めたらしいぞ。ライ様はどうなんだろう。」
ルウ様?
「…それにしてもライ様の人気はすごいなあ。街にいらっしゃるといつもあの調子だ。羨ましい。」
そう言って狼男は、指をくわえてライを囲む女の子たちの群を見つめた。
なんかこの狼さん、かわいい。
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