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「ところでお前さん、うちの店で何か買って行かねぇか?」
狼さんは、すぐそこで出店をやってるらしい。
見ると、出店の台の上には色とりどりのアクセサリーや髪どめがたくさん置いてあった。
「わあ!かわいい!」
「だろ?俺っちが作ったんだ。1つどうだ?」
狼さんの手作りなんだ!
すごーい!
かわいいから1つほしいな。
でもやっぱりタダじゃないよね…
そう思って商品を眺めていると。
「おい菜乃香、なにしてる。」
後ろからライの声がした。
「あ、ライ!」
「ラ、ライ様!」
狼さんは突然のライの登場に驚いてるようだ。
ライは、女の子の群をやっと抜け出してきたのか、マントが少し乱れていた。
「なんだ。これがほしいのか?」
ライは台の上に並べられた商品を見た。
「あ、えっと、これとかかわいいかなーって…」
あたしは紅色にきらきら輝くヘアゴムを指差した。
「買ってやる。」
そう言ってライは狼さんにお金を差し出した。
すると、狼さんは慌てた様子で首を振った。
「お代なんて滅相もございません!ライ様に差し上げます!」
「そんなわけにはいかない。ほら、1ついただいていくぞ。」
「あ、ありがとうございます!また是非いらしてください!」
狼さんは、嬉しそうだった。
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