魔界へ行こう

21/28
前へ
/228ページ
次へ
「ライ、ありがとう。早速結んじゃおうっと。」 あたしは買ってもらったばかりの紅いヘアゴムで、髪の毛を束ねた。 やっぱりポニーテールが一番落ち着くなあ! 「どう?似合う?」 あたしはくるりと回って、ポニーテールに付いた紅色のゴムをライに見せた。 「ああ。」 えへへ。 紅色を選んだのは、ライの瞳と同じ色だから。 また1つ「おそろい」が増えた気がして、あたしはすごく嬉しかった。 「街の人たちって、ライのことが大好きなんだね。」 「そうか?」 「うん。見てたらわかるよ。」 ライはかっこよくて、一見怖い人に見えるけど、実はとっても優しいんだよね。 好きな人が優しいと、なんだか嬉しいな。 「菜乃香?顔がにやついてる。」 「え?うそ!」 あたしはほっぺたを押さえた。 そんなやりとりをしていたら、またまた女の子たちの叫び声が聞こえた。 「ライ様ぁ!待って~!」 「こっちでもっとお話しましょうよー!」 わああ! ライのファンクラブ第2弾! ライは再び女の子たちに取り囲まれてしまった。 ちぇっ モテ男なんだから!
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1190人が本棚に入れています
本棚に追加