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「ルウ様、人間です!人間がいます!その娘です。」
怪物はあたしを指差した。
あたしは震えが止まらなかった。
だけど。
「この人間は僕に任せて。君たちは立ち去っていいよ。」
「で、ですがルウ様。」
「立ち去れと言ったのが聞こえなかったの?」
「も、申し訳ございません!」
怪物たちは一目散にその場から逃げていった。
た、助かった…?
それにしても。
この人は何者?
黒いマントを羽織ったその人が、ゆっくりとこちらをふり向いた。
「大丈夫?」
柔らかい声。
エメラルドグリーンに透き通る、綺麗な瞳。
ちょっと…
めちゃくちゃイケメンなんですけど。
「良かったね。あのままだったら食べられちゃってたよ。」
男性はにっこりと微笑んだ。
「あ、ありがとうございました…。助けてくれて。」
あたしは地面から立ち上がって、お礼を言った。
あたしの言葉を聞いた男性はくすりと小さく笑って、マントの中から何かを取り出した。
「あ!それ!」
男性が取り出したものは、なんとあたしのブラックスカルのブレスレットだった。
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