魔界へ行こう

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「ライ!」 やっと来てくれた。 遅いよ! あたし、めちゃくちゃ怖かったんだから! 「勝手にいなくなるな、お前は。」 「ご、ごめんなさい。」 ライはあたしの前に立って、「下がっていろ」と静かに言った。 「やっぱりお前だったのか、ライ。人間を魔界に連れてきたのは。」 「兄に対しての口の利き方には気を付けろ、ルウ。」 兄!? じゃあ、この人がライの双子の弟なの!? ライとルウは双子なのにあんまり似てない。 ライは黒髪ストレートなのに対して、ルウの髪は銀色で少しふわふわとしていた。 目の色だって、ライは赤くて向こうは緑。 口調も全然違う。 同じなのは、どちらも作り物みたいに整った顔をしてるということ。 「そのブラックスカルを返せ。」 ライが睨む。 「ふっ。僕はこんなものには興味はないよ。ただ、その人間の女の子がなぜ魔界にいるのか知りたかったんだ。」 ルウはあたしのブラックスカルのブレスレットをライに向かって投げた。 ライはブレスレットを軽やかにキャッチすると。 「俺が連れてきた。こいつは俺のものだ。」 真顔で答えた。 「そんなことして許されると思ってるの?」 ルウは馬鹿にしたように笑う。 「貴様には関係ない。こいつは俺の妃になる女だ。父上に会わせるために魔界へ連れてきた。」 「なんだって?」 ルウは一瞬顔をしかめた。
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