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そうでしたー!
あたしがなんで魔界に来たのかって、ライのお父さんに会うためだった!
忘れてたよー!
でもさ、さっきモンスターにさえ殺されそうになったのに、魔界の王様が人間を見たら、あたしどうなっちゃうの?
確実に殺される!?
どうしよおおお。
今さらながら、あたしは家に帰りたくなった。
でも。
「ほら、立て。」
ライの優しい声が上から降ってきて。
その声を聞いただけで、あたしは安心してしまう。
あたしはライの手をとって立ち上がった。
と、その時。
バサッバサッと大きな羽音が聞こえた。
ななななに!?
また、モンスター?
そう思って空を見上げると、案の定、虎のような猛獣がこちらに向かって飛んできた。
ひいいいい!
なにあれー!!
虎は、あたしとライの目の前に砂煙を上げながら降り立つと、牙をむき出した。
その真っ黒な体は、ものすごく巨大。
爪は鋭く尖り、あんなのに引っ掛かれたらひとたまりもなさそうだ。
猛獣の金色の目玉がギロリとあたしを睨む。
もういやー!!
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