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しばらくすると、暗闇の中に巨大な黒い影が浮かび上がってきた。
「あれが、ブラスト家の城だ。」
え…
ええええええ!
あまりの大きさにあたしは驚愕した。
お城は、切り立つ断崖の上に堂々とそびえ立っていた。
こ、これがライの住んでるお城…
「すごい…」
ライは少し速度を上げて上昇した。
お城の一角。
窓が開いている。
ライはその窓を目掛けて羽ばたいた。
「よし。到着だ。」
ライはあたしを抱えたまま、窓から部屋の中に入った。
ここは…?
その部屋は、赤い絨毯で覆われていた。
壁は一面、大理石。
天蓋付きの大きなベッドもある。
黒く光沢のある机の上には、たくさんの書類と羽ペンが置いてあった。
「ここは俺の寝室だ。」
「寝室!?」
なんて贅沢!
あたしはぐるりと部屋の中を見渡した。
いいなあ~!
あたしもこんな部屋に住んでみたい。
「行くぞ。」
ライのマントが揺れた。
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