父上様とご対面!?

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突如、ギギーッと不気味な音を立てて扉がゆっくりと開く。 わあああ…! 勝手に開いたよ! バタンと大きな音がして扉がすべて開ききると、ライはその中へと足を踏み入れた。 あたしもライの後に続いて慌てて中に入る。 すると。 そこには巨大な空間が広がっていた。 ライの寝室と同じように、一面が赤い絨毯で覆われていた。 窓は1つもない。 ライはゆっくりと歩を進めると、広い部屋の真ん中でぴたりと立ち止まった。 ピンと張りつめた空気。 「父上、母上、ただ今戻りました。」 そう言ってライが頭を下げた先。 その先を、あたしはライの後ろから覗き見た。 部屋の奥に広がる階段。 その上に、2つの大きな椅子があった。 椅子の後ろの壁を飾るのは美しいステンドグラス。 「ライ、おかえりなさい。」 優しく綺麗な女の人の声と、 「ライ、どういうことだ?」 強く険しく荘厳に響く、男の人の声。 ライのお父さんとお母さん。 魔界の王様と女王様。
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