父上様とご対面!?

14/17
前へ
/228ページ
次へ
………… 真っ暗。 なんにも見えない。 キーンと耳鳴りがする。 ドックン…ドックン… 何の音? 脈打ってる。 あ… わかった。 ライの心臓の音だ。 だって甘い匂いがするもの。 ふわふわ、ふわふわ。 気持ちいい。 「…乃香、…菜乃香。」 優しい声がする。 あたしの大好きな声。 「菜乃香。」 ハッ… ライに名前を呼ばれてやっとあたしは目が覚めた。 ここは…? 辺りは暗かった。 でも、窓から青白い光が柔らかく差し込んでいる。 月の光だった。 ここ… あたしの部屋だ。 「人間界に戻ってきたぞ。」 ライは壁に背中をつけて、床に腰を下ろしていた。 あたしはそんなライの足の上に乗っかって、ライの胸に顔を埋めながら抱きついていた。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1190人が本棚に入れています
本棚に追加