出会いは突然に

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気づけば、あたしは床に押し倒されていた。 ほのかに鼻をつくのは、教室のホコリと先輩のワックスの香り。 すぐ隣には、机や椅子の細い足が見えた。 床、冷たい。 「せ、先輩、やめてください。」 「どうして?」 不思議そうにあたしの顔を見下ろす先輩。 どうしてって… 付き合うってこういうことだっけ? 「菜乃香ちゃんだってこういうことしたいんでしょ?」 ちがう。 ちがうよ。 「あたしは先輩と、いっぱいお話したり、遊びに行ったり…し」 「俺、こういう関係でしか女の子と付き合わないんだ。」 こういう関係って… 「それって…」 「セックスフレンド。わかるよね?」 やめて。
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