幼なじみの小悪魔ちゃん

6/35
前へ
/228ページ
次へ
学校への道のり。 ライは相変わらずの黒いマントで身を包み、あたしの横を歩く。 9月と言えどもまだまだ暑い。 てゆーかさ… なんでライも一緒に来るわけ? あんたは学校に用事ないでしょ? 「ライ、なんでついてくるの?」 「なんだ?べつにいいだろう。」 まったく。ライのせいで、あたしは朝から冷や汗かきっぱなしだっていうのに。 当の本人は… 「菜乃香の母上の料理、また食べたい。」 なんて言って。 もうっ、呑気なんだから。 少しはあたしの身にもなってよ。 しかも昨日なんて、魔界であんなに凄まじい出来事があったっていうのに… こんなにのんびりとしていていいのだろうか。 不安と疑問を抱くあたし。だけど、ライはまるで何もなかったかのような余裕の表情をしている。 まったく、どういう神経してるんだ、この王子様は。 しばらく歩いて、あたしは高校に到着した。 「はい、ライはここまで。ヴァンパイアは学校に来てはいけません。文化祭のときみたいに騒ぎになったら困るから。」 あたしは門のところでライに注意する。 「わかっている。菜乃香の勉強の邪魔をするつもりはない。俺はこの近くを探索している。普段菜乃香を見ているおかげで人間に興味が湧いてきたからな。」 あら、なんか素直。
/228ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1191人が本棚に入れています
本棚に追加