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「菜乃香おはよ。」
「おはよ、みーちゃん。」
教室に着くと、いつものようにみーちゃんがいた。あたしとみーちゃんは前後の席なんだ。
「ギリギリセーフだね!でも1時間目、自習だよ。ラッキー!」
みーちゃんに言われて、黒板を見ると「自習」と大きく書かれていた。
ほんとだ、ラッキー。
自習だから、チャイムがなっても教室は少しがやがやとしてる。
あたしが席に座ると、みーちゃんは早速、くるりと体を回転させて、後ろのあたしの机の上に肘を置いてきた。
「ねーねー菜乃香。昨日のドラマさあ~…」
そう言いかけたけど、突然話をやめて目を丸くした。
「な、なな菜乃香!」
慌てるみーちゃん。
えっ、なに?
「どうしたの、みーちゃん?そんなに慌てて。」
みーちゃんはあたしを見て顔を赤らめた。
「あんた、そ、それ!もしかして!」
と、あたしの首を指差した。
へ?
「キスマーク!?」
みーちゃんは大声を出した。
え…!
キスマーク…って…
えええええ!?
ま、まさか。
あたしはポーチから鏡を取り出して、自分の首を確認した。
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