幼なじみの小悪魔ちゃん

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鏡を通して見てみると。 右側の首筋に、赤紫色のアザのようなものが… うそ… あたしは咄嗟に手で首を隠した。 みーちゃんはそんなあたしの反応を見て、はしゃいだ。 「きゃはー!やっぱりそうなんだ!うはー!」 「ち、ちがう!これは…その、えーっと…。蚊だよ!蚊に刺されたの!あはははは…」 あたしは必死に誤魔化そうとしたけど、これは正真正銘のキスマーク。 あたしは恨んだ。キスマークを付けた張本人を。 ライのバカああああ!! 顔が火照る。 このキスマーク、昨日、魔界に行く前ライに血を吸われたときに付いちゃったんだ、きっと! ライってば、めちゃくちゃ強く吸うんだもん。 そりゃ、付くわ。 でも、全然気がつかなかった… 気づかずに、よりにもよってポニーテールなんて。 首筋丸見えだよお! 顔から火が出るほど恥ずかしい。 あたしは恐る恐る、もう一度鏡で確認してみた。 キスマークは熟れすぎた苺みたいに赤くて。なんだかちょっとグロテスク。 「文化祭の時の人でしょ?菜乃香の彼氏って!随分頑張っちゃったね~彼氏さん。」 そう言って、まじまじとキスマークを見つめてくるみーちゃん。
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