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すると、金髪美女はあたしをすごい目付きで睨んできた。
ひっ…!怖っ!
美女はベッドから降りると、左手を腰に当てながらあたしを見下ろした。
「私はアクア!魔界のフェリシア家のハイパーミラクルキュートでエレガントなヴァンパイア!ライのお家とは昔から仲が良くて、ライとは、お、さ、な、な、じ、みなのよ!」
美女は「幼なじみ」の部分を思いっきり強調した。
この子もヴァンパイアなんだ!?
あたしの唖然とする顔を見て、アクアはふふんと得意気に微笑むと、ライの右腕に抱きついた。
「ライ~聞いたわよ~!この人間を魔界に連れてきたんですってね。おまけに王様を怒らせること言ったって。こんなのただの悪ふざけでしょ? だってライのお嫁さんになるのは、この私だもーん!」
アクアの胸がライの右腕に当たってる。
「悪ふざけではない。菜乃香は俺の妃になる女だ。」
ライはアクアのテンションに眉ひとつ動かさず、真顔で答えた。
「なっ…!冗談でしょ?だってこの子、人間だよぉ!?しかも、私の方が100倍かわいいよ!?」
「アクア、耳元で叫ぶのはよせ。」
「この子のどこがいいわけ?童顔だし!貧乳だし!」
うっ…
そ、それはおっしゃる通りですがッ…。
アクアはライに抱きついたまま、あたしを睨んで舌を出した。
「べーっ!!」
うわあ…
あたし、超嫌われてる。
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