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茫然としているあたしを見て、ライが言い放つ。
「菜乃香。アクアはただの幼なじみだ。」
そのセリフにすかさずアクアが食らいつく。
「ちょ…!ただのって何よぉ!ライの意地悪!幼なじみでもあるけど婚約者でもあるでしょ?」
こ、婚約者!?
「それはお前の勝手な妄想だろう。」
「妄想じゃないもん~!王様も私のお父様も認めてるでしょ?ライ愛してるー…うちゅー…」
「アクア、お前のその妄想癖、なんとかならないのか?」
ライは、迫るアクアを冷たくあしらっている。
だけど、あたしから見たら、この2人めちゃくちゃいいコンビ。
ちょっとヤキモチを妬くあたし。
「あんた、菜乃香っていうのね?」
突然、アクアがあたしの名前を呼んだので体がビクッとする。
「は、はい、そうです…」
アクアは、ベッドの上に座るあたしの前に来て、ビシッと人差し指をつき出した。
「あんたがどうやってライを誘惑したか知らないけど、ライは私のものですからね!!」
ちょ…
あたし悪くないもんー!
誘惑してないし!
むしろライが誘惑してくるんですけどおお!
すると、ライが冷静な口調で言った。
「菜乃香の血の味は極上だ。」
それを聞いたアクアはさらに怒りだす。
「な…!血の味でライを誘惑するなんて!なんてずるい女なのかしら!」
ええええええ!
そ、そんなのしょうがないじゃない!
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