幼なじみの小悪魔ちゃん

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―――…… 「菜乃香、これはなんだ?」 「え?それは鉄板。この上でお好み焼きを焼くの。」 ライは椅子に大人しく座って、物珍しげに鉄板を見ている。 あたしはキッチンで、ママと一緒に野菜やお肉を切りながら、ライの素朴な疑問に答えた。 見ると、ライは長い爪で鉄板をつついて遊んでる。 なにやってんだか。 「魔界には、鉄板を使った料理ってないの?」 あ…! あたしは、ついうっかりママのいる前で「魔界」という言葉を口にしてしまった。 案の定、ママが 「魔界?」 って、不思議な顔をした。 し、しまったあああ! 「あ、いやはははは!なんでもないよお!あ、ママ、このキャベツも切るでしょ?あははは…」 あたしは必死でごまかした。 けど。 「魔界には、この鉄板とかいうものと似てるものがあるが、これを使って料理はしないな。何をするかというと、悪さをしたモンスターたちの拷問に……」 あたしはダッシュでライの口を押さえた。 「ママ、なんでもないよ~!あははははは…」 ママはきょとんとした表情を見せたけど、冗談だと思ったらしく、笑顔で再び野菜を切り始めた。
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