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「ちょ、ちょっとライ!何考えてるの!ママの前で魔界だのモンスターだの言っちゃだめでしょ!?」
あたしは小声でライに耳打ち。
「そうか。」
って、なんという呑気!
まったく、疲れるったらありゃしない…
ライのせいでひやひやしながらも、ようやく下ごしらえが完了した。
あたしとママも席に着く。
「よーし、焼くわよ~!」
ママが張り切る。
「ママ、あたしにやらせて!」
あたしはべつに、お好み焼きを引っくり返すのが特別得意なわけではないけど。
お好み焼きの日は、いつもあたしがヘラを占領しちゃう。
だって、引っくり返すの楽しいんだもん!
「はいはい。」
って、ママは嬉しそうにあたしにヘラを渡してくれる。
生地を流し込んで、丸く広げて~
しばらく待つと、だんだんと生地が焼けて固まってきた。
あたしの隣に座っているライはというと、何も喋らず、じーっとお好み焼きが焼けるのを見ていた。
ぷっ。
ライってば、なんかかわいい。
「もういいんじゃない?」ってママが言ったから、あたしは両手にヘラを持ってスタンバイ。
よーし!裏返すぞー!
張り切るあたし。
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