幼なじみの小悪魔ちゃん

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「なんだ…これ。体が…変だ…」 ライは「うーん」と小さく唸りながら、ママみたいにテーブルに突っ伏した。 ちょっと待って… これ、サイダーだよね!? どうやらヴァンパイアの体は、お酒には強いけど炭酸水には弱いらしい、ということをあたしは知る。 まったく、どんな体のつくりしてんのさ! 「ちょっと、ライ!ライってば!」 あたしはライの肩を揺すって起こそうとする。 「こんなとこで寝ちゃだめー!」 シャツにソース付いちゃうよ? 「ライ、起きてー!」 あたしがライの肩を少し強めに叩くと、突然、ムクッと顔を上げた。 少しの間ぼーっとしてたかと思ったら、あたしの方にくるりと顔を向けた。 「おま…え、…菜乃…香?」 そうよ、あたしは菜乃香ですよ。 あんた完全に酔ってるね。 「ほら、しっかりしてよー。」 って、あたしがライからグラスを取り上げた瞬間。 バタン――…! あたしは強い力でリビングの床に押し倒された。 な…!
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