気持ち

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………… 辺りは、しんと静まりかえる。 「びっくりしたあ…」 あたしはライの腕の中、大きく息を吐き出した。 「本当に気にくわないな、奴の言動と行動は。」 呆れたように言って、ライはあたしを静かに降ろす。 はあ… ライが助けに来てくれなかったらどうなっていたことか… 「ライ、助けに来てくれてありがとう。」 「あたりまえだ。」 あたしが助けてほしいとき、ライは必ず来てくれる。 ライのそういうとこ、頼りにしてるんだよ。 それにしても、ルウもヴァンパイアだから人間界に血を吸いに来るんだね。 他のヴァンパイアも、同じように人間界に来てるってことだよね…あたしが気づかないだけで。 あれ?でも… ルウは恋人がいるんだよね? 「ねぇねぇライ。ルウもお妃様にする人を決めてるわけでしょ?」 「ん?ああ、そうだ。伴侶は同じ種族でなければならないというブラスト家の掟があるから、ルウの相手は掟どおりヴァンパイアの女だ。」 なるほど… でも… 「でもさ、自分に恋人がいるのに、人間界に血を吸いに来るってことだよね。それで…その…人間の女の子とキスとかしちゃうわけでしょ?」 そんなの、おかしいよ。 それは、やっちゃいけないことだよ。 「ヴァンパイアにとって、吸血行為は生きるための手段にすぎない。」 ライの言葉を聞いて、心臓がズキンと痛んだ。
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