1191人が本棚に入れています
本棚に追加
「アクアちゃん!!」
「ふふっ、久しぶりね。」
ライの幼なじみ、アクアだった。
び、びっくりしたああ!
さっきはルウにも会っちゃったし、今日はいったいなんなの!?
「な、何しに来たの?」
慌てるあたしの顔を見て、アクアはニヤリと微笑んだ。
「うふふ。いい加減、ライを返してもらおうと思ってね。」
え…
「誓いの儀がもうすぐだっていうのに、ライってば、人間界にばっかり来てるんだもの。もういいでしょ?あんたも充分楽しんだはずよ。ライは私のものなの。少し貸してあげてただけ。」
やめて。
ライを「物」みたいに言わないで。
「菜乃香、あんたに1つ忠告しておくわ。」
そう言って、アクアは腰に手を当てた。
その表情は、氷のように冷淡で。
「ライはね、あんたのことなんて、なんとも思ってないわ。」
その言葉は、刃物のようにあたしの心臓を貫いた。
「ライはあんたの血が吸えればどうだっていいのよ。」
背筋が凍りつく。
最初のコメントを投稿しよう!