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あたしと先輩は手を繋ぎながら、街の大通り沿いを歩く。
先輩は、なにやら目的地に向かっているようだ。
「先輩、どこに行くんですか?」
「まだひみつ。」
先輩はあたしよりも、ほんの少しだけ前を歩いていた。
そういえば、ライはいつも、あたしの少し右斜め後ろを歩いていたっけ。
あ…、いけないいけない。
またライのこと考えてる。
あたしはブンブンと首を横に降った。
―――…
しばらくすると、先輩は大きなビルの入り口で足を止めた。
「ここ、俺の親父のオフィスビル。」
え!
ええええええええええ!
す、すごい…
ビルの真下にいるあたしには、てっぺんが見えない。
それくらいの高層ビルだった。
「ここの展望台、すごくきれいなんだよ。」
そう言って、先輩はあたしをビルの中へと案内してくれた。
ロビーには、ゴージャスなシャンデリアが天井からぶら下がっていた。
あたしたちは、これまたゴージャスなエレベーターに乗り込んだ。
やがて、エレベーターは60階に到着。
ドアが開いた瞬間、そこには無数の光の粒が散らばっていた。
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