決意と誓い

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涙はポロポロと流れ落ちる。 「ライ…会いたいよ。」 本当にバカだね、あたし。 自分からサヨナラしたくせに、今更後悔するなんてさ。 でも、もっとバカなのは、自分の気持ちをライに伝えなかったこと。 あたし、何を間違っちゃったのかな。 どうして間違っちゃったのかな。 ふと、左手のブレスレットに目がいく。 ライ… あたしはあんたに、いろんなものをもらったね。 このブラックスカルのブレスレット。 紅色のヘアゴム。 空からの景色。 優しいキス。 ライを愛しいと思う気持ち。 たくさん、たくさん、もらったね。 でもあたしは… ライに、なにもしてあげられなかった。 たくさんのことを教えてくれたライに「ありがとう」も言ってない。 「好き」という気持ちさえ、伝えることができなかった。 後悔しても、もう遅い。 今日は、誓いの儀。 ライにとって、大切な日。 ライはもう、あたしの前には現れない。
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