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涙が止まらない。
銀色の満月がぼやけてく。
神様。
お願い。
ライに会いたい。
ライに会わせて。
どんなに固く目を閉じたって、どんなに願ったって、ライが来てくれるわけじゃない。
そんなこと、わかってる。
でも、願ってしまう。
あたしは、地面に崩れ落ちた。
「…ライ…ごめんなさい…!」
あたしの本当の気持ち、伝えられなくて。
あたしはがっくりと視線を落とす。
左手にはめた、ブラックスカルのブレスレットが視界に入る。
これは、ライにもらったもの。
今までずっと、身に付けてきた宝物。
涙が一粒、ブレスレットに流れ落ちた。
伝えたいよ。
「ライが好き」って、伝えたいよ。
あたしがぎゅっと、拳を握りしめた、そのときだった―――…
ブレスレットのブラックスカルが、優しいオレンジ色の光を放った。
え…?
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