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血の気が一気に引いていく。
あたしには、羽なんてない。
「きゃああああああああ!!」
叫ぶしかできなかった。
眼下には森が広がっていた。
夜だから、一面真っ黒に見える。
このままだと、森に落下するじゃない!!
どどどどどうしよう!?
だけど、そんなこと考えてる時間も余裕も、今のあたしにはまったくなかった。
痛いくらいに風が全身に当たる。
見る見るうちに地上が近づく。
もう、ダメだ…!
あたしはぎゅっと、目を閉じた。
が、次の瞬間。
ブワッと風が巻き起こる。
…!?
間一髪、地上すれすれで落下が止まった。
そっと目を開けると、地上から1メートルくらい離れた空中で、あたしの体は宙に浮いていた。
もくもくと砂煙が上がっている。
た、助かった…?
ふと、ブラックスカルのブレスレットを見ると、オレンジ色の柔らかい光を発していた。
しかし、徐々に光は小さくなっていく。
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