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やがて光は、線香花火の最後のようにシューッと消えていった。
光が消えた途端、あたしに再び重力が働いた。
「ぎゃ!」
ドサッ!!
あたしは1メートルの高さから地面に落下した。
思い切り尻餅をつく。
痛っ…!!!
あたしは少しの間、立ち上がることができなかった。
…それにしても、ここは魔界なの?
本当に魔界に来ちゃった?
あたしはキョロキョロと辺りを見渡した。
森の中。木に囲まれている。
暗い。
風が吹いて、ざわざわと木々が揺れた。
こ、怖いよぉ…
以前魔界に来たときみたいに、モンスターが飛び出してきたらどうしよう。
そしたら今度こそ食べられちゃう!?
あたしは不安に襲われながら、空を見上げた。
木々の間から、満月が輝いてる。
しかし、満月から少し視線を落とすと、巨大な黒い影があることに気がついた。
あれは…!
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