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どこかに別のルートがないかと思い、周辺をぐるぐるしてみたけど、広範囲にわたって崖は続いていた。
だめだ…。
こんな高い崖、登るなんて無理。
と、そのとき。
あ、そうだ!
あたしはひらめいた。
もう1回、ブラックスカルにお願いすればいいんだ!
また助けてくれるかもしれない。
そう思ったあたしは、ブレスレットを外して、両手に包み込んだ。
「お願い。ブラックスカル。もう一度お願いを聞いてほしいの。」
深呼吸をする。
「お城へ行きたいの。あたしを、上まで連れていって…!」
固く目を閉じる。
…………
でも。
何も起こらない。
あたしはちらりとブレスレットを見たけど、さっきみたいに光ってはくれなかった。
あたしはがっくりと肩を落とす。
やっぱり、ダメかあ…
諦めなくちゃいけないの?
お城は目の前なのに。
ライがあの中にいるのに。
半ば諦めかけた、そのときだった―――…
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