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しかし次の瞬間。
首筋に鋭い痛みを感じた。
…!?
な、何これ…
「あ…っ」
痛い。
だけど…
なんなの、この感覚は。
すごく気持ちいい。
ドクン、ドクンと、心臓が大きく脈打つのを感じる。
からだが、熱い。
その時、男の人の体がビクビクと震えた。
ヒュッと息を吸い込む音が聞こえたかと思うと、男の人は、あたしの体をものすごい力で抱き寄せた。
爪があたしの肩に食い込む。
男の人はあたしを強く抱いたまま、荒い息を吐いていた。
熱い吐息が首筋にかかる。
「…最高だ。」
え…?
あたしは朦朧とする意識の中、甘く響く声を聞いた。
「お前の血、最高だ。」
これは現実?それとも夢?
一体、あたしは何をしているの?
そしてこの人は誰なの?
わけがわからないけど、あたしはまるで夢の中にいるみたいだった。
ただひたすら、ふわふわとして心地よい感覚を味わっていた。
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