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「わかったのか?何度も言わすな。」
「わ、わかったわよ!ライって呼べばいいんでしょ!」
「そうだ。」
あたしはこんなに慌てふためいているっていうのに、ライは余裕の表情だ。
悔しい!
あたしは深呼吸して、目の前にいる男と話をすることを決めた。
「あ、あのね、あたしとあなたは初対面なの。わかる?初対面の相手に、いきなり妃にするーとか言われても、答えられるわけないでしょ?」
「答えなくていい。俺が決めたことだ。」
会話が成り立ちません。
「もー!吸血鬼って頭悪いの?」
「ヴァンパイアと呼べと言っているだろ。」
だめだ、冷静にいこう。
「はあ…。第一、あたしはまだあなたのこと信じられない。ヴァンパイアがいるなんてことも信じられないもん。」
「なら、どうやって俺がこの部屋に入ってきたと思う?」
「え…」
そう言われてみれば…。
いつの間にか入ってきてたよね。ドアが開く音もしなかった。
あたしの困惑した表情を見て、ライが言った。
「ヴァンパイアは、自分の姿かたちを自由自在に変えられるからだ。」
変えられるって…
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