金色は危険信号

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教室に戻ると、みーちゃんが心配そうにあたしに駆け寄ってきた。 「な、菜乃香、大丈夫?」 「うん。」 みーちゃんはあたしの表情を見て安心したらしい。 「なんて言われたの?」 「ん?」 あたし、今、どんな顔してるかな。 たぶん口元が緩んでる。 みーちゃんは微笑んで、それ以上何も聞いてこなかった。 なんだか、心が軽くなった気がする。 そしたら急にお腹がすいてきて、まだ食べていなかったお弁当を、パクパク一気に食べてしまった。 「みーちゃん、一緒にすてきな彼氏見つけようね!」 「なによ菜乃香いきなり~」 「えへへ。」 みーちゃんは呆れたように肩をすくめた。 帰り道、足取りは軽かった。 るんるん。 あれ? あたし、何か忘れているような。 うーん… ま、いっか。 あたしは完全に忘れていた。 ライのことを。
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