1190人が本棚に入れています
本棚に追加
/228ページ
ライはあたしのシャツのボタンを半分くらいまで外すと、満足そうに「よし。」と言った。
「…本当に美味そうな匂いをさせているな、お前は。やっぱり誘っているんだろ?」
首のすぐ後ろで囁かれる。
「違うもん!さ、誘ってなんかない…」
「フッ…お前が誘っていなくとも、お前のこの血が俺を誘ってる。」
あたしの首には、さっきライに噛まれて流れた血が付着しているらしい。
その血をライはゆっくりと舐めた。
息、近い…。
「噛むぞ。」
ライは短く囁くと、あたしの首の後ろに牙を突き立てた。
痛っ。
だけどその痛みは、やがて甘い感覚へと変わっていく。
ライ。
ふわふわするよ。
あたしはいつの間にか意識を失っていたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!