金色は危険信号

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ライはあたしのシャツのボタンを半分くらいまで外すと、満足そうに「よし。」と言った。 「…本当に美味そうな匂いをさせているな、お前は。やっぱり誘っているんだろ?」 首のすぐ後ろで囁かれる。 「違うもん!さ、誘ってなんかない…」 「フッ…お前が誘っていなくとも、お前のこの血が俺を誘ってる。」 あたしの首には、さっきライに噛まれて流れた血が付着しているらしい。 その血をライはゆっくりと舐めた。 息、近い…。 「噛むぞ。」 ライは短く囁くと、あたしの首の後ろに牙を突き立てた。 痛っ。 だけどその痛みは、やがて甘い感覚へと変わっていく。 ライ。 ふわふわするよ。 あたしはいつの間にか意識を失っていたらしい。
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