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「菜乃香。」
ライの声がした。
気づくと、あたしは自分のベッドに寝ていた。
部屋の中が薄暗い。
どうやら雨は止んだらしい。
月明かりが柔らかくあたしの部屋を照らしていた。
ベッドのすぐ横には、あたしを心配そうに見つめながら立っているライの姿があった。
月明かりに照らされた色白の肌は、いつにも増して妖艶だった。
そうか…
あたし、ライに血を吸われて…
「すまない。少し吸いすぎてしまったようだ。」
ライが謝ってる。
ライって、見かけによらず優しいのね。
「大丈夫だよ。」
あたしは静かに答えた。
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