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楽しみだなあ!
足取りは軽い。
しかし、次の瞬間、あたしの心臓がとびはねた。
「なんだ?浮かれた顔して。」
綺麗な低音と共に、目の前に急に現れた黒い影。
「ライ!!!」
そこには、不敵な笑みを浮かべてあたしを見おろすライの姿があった。
「ど、どうしたの?今、朝だよ!?」
今までのケースだと、ライが現れるのはいつも夜だ。明るいうちに現れたことなんてない。
夏の太陽とライという組み合わせは激しく似合わなかった。
「なんだ、朝に俺が現れたらいけないか?」
「べ、べつにいいけど。ライ、いつも夜に現れるからびっくりしちゃって。てゆーか、ヴァンパイアって太陽の光浴びると溶けちゃうんじゃないの?」
「ははは。なんだその知識は。人間の勝手な想像か?べつにヴァンパイアは太陽の光に当たっても消えたりしない。」
ライはけらけらと笑った。
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