1190人が本棚に入れています
本棚に追加
「ま、まさか、姿現す気じゃないでしょうね?」
「さあ?」
ライは意地悪く微笑んだ。
さあ…って、ちょっと勘弁してよ。
「それでは、またな。楽しみにしているぞ。」
「あっ、ちょっと!待ってよ!」
ライはマントで自分の体を包むと、音もなくその場から消えた。
もう!
ほんと自分勝手なんだから!
あたしはぷりぷり怒りながら腕時計を見た。
やばっ!
遅刻するー!
ライの茶番のおかげで、あたしは学校まで走ることしなってしまった。
ライは文化祭本気で来る気なのかな。
100歩譲って文化祭には来てもいいけど、来るなら姿を消して来てほしい。
あんな目立つヤツが来たら、みんなの注目の的じゃない。
あたし目立つの嫌いなの。
もー!
朝からうきうきしていた気持ちは、いつの間にか不安という2文字に変わった。
最初のコメントを投稿しよう!