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「ちょっとライ!なんで堂々と姿見せてるのよ!」
あたしは素早くライの近くまで行って、耳打ちした。
「菜乃香が驚くと思って。」
なっ…
「心臓とまりそうになるからやめてよ!」
ほんと、何考えてんのこいつ!
信じられない!
「それにしても、人間という生き物は面白いな。こんな行事で盛り上がるなんて。」
あたしはこんなに動揺してるっていうのに、何を呑気に言ってくれちゃってんの。
「そんなこと言ってる場合?!ライ、めちゃくちゃ注目されてるよ!」
「注目されるのは慣れている。」
どういう意味…。
「ちょっと来い。」
へ?
次の瞬間、あたしの体がフワリと宙に浮いた。
突然すぎて、何が起こったかわからなかった。
クラスから「キャー」だの「ワー」だのすごい歓声が上がる。
「ちょ…!!ばか!離してよ!」
これって、お姫様だっこ!?
「暴れるな。」
神様助けて!
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