1190人が本棚に入れています
本棚に追加
すると、ライの動きがぴたりと止まった。
「あいにくだが、俺が吸血するのは夜だ。昼間は魔力が足りないから余計な体力を使う。」
ライはあたしの耳から離れると、真正面から見つめてきて。
「期待したか?」
って、優しく微笑んだ。
その笑顔、反則だってば。
「これをお前に渡しておく。」
?
左の手首に何かが当たった。
「なにこれ?」
見ると、左手にブレスレットがはめられていた。
ブラックとクリスタルのストーンで作られたそれは、キラキラと光ってる。
真ん中には、小さなドクロの形をしたストーンもくっついていた。
あ、よく見るとこれ、ライの首に架かってるアクセサリーと同じ素材だ。
「かわいいー。これ、くれるの?」
「ああ。気に入ったか?」
「ありがとう。でも、このドクロはちょっと怖い。」
「わがままを言うな。ブラックスカルはブラスト家の紋章だ。」
ええー!
ブラスト家って、ライの家で、魔界で一番偉いとかいう…
お、おそろしい…
「俺が作った。」
「ライが?すごい。」
「それは俺の魔力が宿ってる。お前は俺のものだという印だ。」
な、なによそれ!
最初のコメントを投稿しよう!