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「何かあったら、そのブラックスカルが助けになる。」
助け?
どういう意味だろう?
「だからそれをいつも身に付けておけ。」
ライはちょっぴり偉そうに言ったけど、なんだかあたしは嬉しかった。
なんか、お揃いのものをお互い身に付ける彼氏と彼女みたいだから。
なにより、ライがくれたものだから。
あたし、時々思うんだ。
ライがヴァンパイアじゃなくて、普通の男の子だったらよかったのにって。
普通の男の子で、普通に知り合って、そしてライの彼女になれたらって。
なんだか、切ないな。
ブレスレットを見ると、スカルが微笑んだみたいに見えた。
「じゃ、行くぞ。」
「へっ?」
ライが突然声をかけたもんだから、すっとんきょうな声を出してしまった。
行くって?
「どこに?」
「文化祭とやらを楽しみに。決まっているだろ。」
えー!?
もうライはいいでしょ?
さっきのお姫様だっこが甦ってきて、また恥ずかしくなった。
恥ずかしすぎて外に出られないよ!
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