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「菜乃香、この人誰!?」
みーちゃんは目をきらきら輝かせて、あたしとライの顔を交互に見た。
「えっと、その…あはははは…」
ごまかすあたしの声に被せて、特設ステージの司会者がまたまたマイクを通して叫んだ。
「1年5組の菜乃香ちゃんとお相手の男性は、至急特設ステージまで来てください!また、2人を見かけた人がいましたら、情報提供をお願い致します!」
やめてー!!!
「ははは。本当に人間というのは面白い生き物だな。」
ライが楽しそうに笑った。
だから、あんたはいつも呑気すぎ!
「行ってきなよ、菜乃香!」
みーちゃんはノリノリだ。
や、やだよ。恥ずかしいもん。
しかし。
「行くぞ。」
ライが短く呟いたのが聞こえた。
次の瞬間、あたしの体は宙に浮いていた。
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