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「おおーっと!!?皆さんご覧ください!噂をすれば、ピンクの妖精と黒い悪魔の登場です!いったいどこから現れたのでしょうか!まさに神出鬼没です!」
よりにもよって、ライは特設ステージ上のど真ん中に着地を決めた。
ステージには、あたし、ライ、司会者さん。
もう、本気で気絶していいですか?
ステージの下にはたくさんの人だかりができていた。
さらに、上を見上げると、各階の窓から、生徒たちが身を乗り出してこちらを見ていた。
視線の嵐。
「1年5組の菜乃香さんですね!?そして、黒服の悪魔という噂の彼!ぜひ名前を教えていただけないでしょうか!?」
マイクは大音量。
そんなマイクを通して、ライの綺麗な低音が響いた。
「菜乃香は俺の妃になる女だ。」
ライの言葉が響き渡ると、校舎から震えるほどの拍手と歓声が沸き起こった。
あたしは開いた口が塞がらない。
茫然とはこのことだと知った。
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