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学校に着いて、教室に入ると、みーちゃんがあたしに近づいてきた。
「菜乃香おは!あんた、今日、本当に夏目先輩に告白するの?」
「え…?う、うん。」
みーちゃんは中学時代からの親友。
もちろんあたしが夏目先輩を好きで、今日告白しようとしてることも知ってる。
でも、なにやら真剣な顔をしながらみーちゃんは声を潜めてあたしに喋る。
「昨日さ、部活の先輩から聞いたんだけど、夏目先輩って彼女作らない性格らしいのよね。」
ええっ?
なにそれ~
「どういうこと?」
まったくみーちゃんは、今日あたしが張り切って家を出てきたというのに…朝からそんなことを言い出して。
「うん、だから、夏目先輩って、かっこいいじゃない?だからね、だから…特定の女の子とは付き合わないみたいなの。」
はあ?
「みーちゃんてば、わけわかんないよ。先輩、今は彼女いないんでしょ?だったら、告白したらもしかしたら彼女にしてくれるかもしれないよ?」
「もーわかってないね~この子は。だからあ~…」
そのとき、チャイムがなって担任の先生が教室に入ってきた。
「みーちゃん、もう決めたんだもん。フラれてもいいの。気持ち伝えたいの。」
みーちゃんはまだ何か言いたそうだったけど、あたしの頑固な目を見て静かになった。
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