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「さて、菜乃香。今日は俺に付き合ってもらおうか。」
…はい?
ライのいつもの「突然」が始まった。
「王位継承の儀はそう遠くないが、最近魔界に行く用もない。俺は退屈しているんだ。この前の文化祭とやらで人間界に興味を持ち出したところだ。もっと人間のことが知りたい。だから今日は菜乃香に人間界を案内してもらう。」
えええええ!
何言ってんのよ。
「無理だよ!だって今日はみーちゃんと約束してるもん!」
「みーちゃん?」
「高校の友達。2人でお買い物行く約束してるの。」
「ほう。俺より違う奴を優先させる気か。」
優先って。
突然そんな提案するライがいけない!
「もう約束しちゃったんだからしょうがないでしょ!」
と、そのとき。
プルルルルルルルルル!
あたしのケータイが鳴った。
画面には「上原道子」の文字が。
あ、みーちゃんだ!!
「もしもし、みーちゃん?」
電話に出ると、すさまじい音が聞こえてきた。
『ゴホッゴホッ!!菜乃香ー…ごめんー…ズビー!!夏風邪ひいちゃったみたいなのゴホンゴホンッ!!あ゛ぁー…』
「ええええ!大丈夫みーちゃん!?」
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