真夏の夜の×××

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そうこうしているうちに、渋谷に到着。 うわあ! やっぱり夏休みだから、いつにも増してたくさん人がいるなあ! どこを見渡しても人、人、人だ。 加えて、夏の日差しとくれば… 暑い!! 「ライ、マントなんて着て暑くないの!?」 「暑い。」 ライはそう言うけど、全然汗をかいていない。 信じられない。 あ、でも日に焼けなくていいかもね。 あたしは半袖の白いワンピース。 ピンクの小さいお花がたくさん散りばめられてるの。ママに買ってもらったあたしのお気に入り。 髪型はもちろんポニーテールだよ。 ワンピースに合わせて花の飾りがついたゴムで結んだ。 ライは、さっき自分から「人間界を案内しろ」とか言ったくせに、めちゃくちゃだるそうに歩いてる。 でも… なんだか、こうして一緒に歩いてると、なんかデートしてるみたい。 あたし、ちょっぴり嬉しかったりして。 少し歩くと、ライが声を上げた。 「菜乃香、あれ見ろ。変なものがある。」 ライが指差したものは、クレーンゲームだった。 ゲームセンターだあ! 高校生になってから全然行ってない! なんか、あたし、テンション上がってきたぞ。 「ライ、やってみなよ!」
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