真夏の夜の×××

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ライは半透明になった右腕を、クレーンゲームの中に入れた。 なんと、プラスチックの壁を通り抜けている。 だめだめだめだめだめ!! それは絶対だめー!!! あたしはライの体を思いっきり引っ張った。 「何をする。こうすれば、あんなもの一発で取れる。」 「そういう問題じゃないの!!」 あーもう。 心臓止まるかと思った! ここは魔界じゃないんだから、不思議な超能力とか使うのやめてよね! ライはちょっと残念そうな顔をして、「そうか」と言った。 まったく。 あ、そうだ! そこであたしは思いついた。 「ねえねえライ!プリクラ撮ろうよ!」 「ぷり…くら??なんだ、そのふざけた名前は。」 「ふざけてないでしょ。こっち来て!」 なんか楽しい!! プリクラ、中学校の時みーちゃんとよく撮りに行ったなあ! ママとも撮ったことあったっけ! 「ライ、こっちこっち。」 「わかったから引っ張るな。」 ゲームセンターの奥の方に行くと、色とりどりのプリ機が並んでいた。 どれも宣伝のモデルさんの写真が派手に飾ってある。 女の子たちが撮影したばかりのプリクラを持ってキャアキャアとはしゃいでいた。 「なんだここは。息苦しい場所だな。」 我慢しなさい。 こっちはもうテンション上がってるのよ! 「よし、このプリ機にしよーっと。ライ、ここ入るよ!」
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