1190人が本棚に入れています
本棚に追加
そこには。
こちらを向くライの綺麗な顔と。
たくさんの星が瞬く夏の夜空があった。
すごい。
「きれー…」
あたしの呟きに、ライは「ばか」と言った。
「夜空もいいが、こっちも見てみろ。」
へ?
そう言われて見下ろした先。
「うそ…」
それは眼下一面に広がる光景。
信じられなかった。
夢なんじゃないかと思った。
それくらい、綺麗な光景だった。
「人間の世界、俺は気に入ったぞ。」
ライが嬉しそうに呟いた。
散りばめられているのは地上の光。
街のイルミネーションやビルの明かり、走る車の光。
そんな都会のありとあらゆる光たちが、広範囲にわたって広がっていた。
「ライ。」
「なんだ?」
あたし今、とっても感動してるよ。また、泣いちゃうくらい。
「ありがとう。」
ライは一瞬、間を置いて。
「気に入ったか。」
って、優しく笑った。
最初のコメントを投稿しよう!