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そして。
今日はライが姿を見せなくなってから、ちょうど1ヶ月目の夜。
あたしは自分の部屋で1人、ライが来るんじゃないかって期待して待っていた。
だけど。
時計の針が午前0時を回っても、ライの姿は現れない。
もう!
ライのばかばかばか!
あたしの気も知らないで!
連絡くらいくれたっていいじゃない!
……って、あたしたちは喧嘩中のカップルかっ。
バカみたい。
ライなんてもう知らない。
あんなやつ、どこへでも行けばいいのよ!
もう寝よう。
そう思って、オレンジ色のベッドライトを消した。
すると…
夜なのに、窓の外がやけに明るいことに気がついた。
なに…?
気になって、あたしは窓の所へ行って外を見た。
あ…
夜空に満月があった。
どおりで明るいわけだ。
暗闇にぽっかりと浮かぶ、大きな満月。
その光は美しい銀色で、優しくあたしの顔を照らす。
すごいキレイ。
そういえば、ライと初めて出会ったときも満月だったなあ。
とっても幻想的だった。
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