5年前の事件

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部屋に戻ると、パソコンを付けた。 自分達が行くペンションを調べたかったからである。 『ペンション鷹』を検索する。 ………、あった! 俺はパソコンの画面を観る。 『ペンション鷹』 北海道でも有数なゲレンデの側にあるペンションなので、シーズン中は、毎日のように満室らしい。 そして、経営者の名前を確かめる。 『高田信一』 高田! ……いや、事件の男は信男だった。 しかし、同じ名字。これも偶然だろうか? …ひょっとして、信男には息子がいて、信一が、その息子か? 父が得た保険金の一部を貰い、父は引退し、息子の方が新しく経営を始めたのではないか? ……偶然が重なりすぎる。 しかし、偶然の域をどうしても越えられない。あと一歩で何かが繋がりそうなのだが…… この事を優香に知らせたら何て言うだろうか? 彼女の性格からして、おそらく…… 『関係ないわ。行きましょう』 だろうと、俺は思う。 付き合って、もう長い。だから、さすがに性格もわかっている。 それでも、一応、耳に入れた方がいいと思って、電話をかけた。 トュルルル…トュルルル… 「はい、もしもし?」
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