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部屋に戻ると、パソコンを付けた。
自分達が行くペンションを調べたかったからである。
『ペンション鷹』を検索する。
………、あった!
俺はパソコンの画面を観る。
『ペンション鷹』
北海道でも有数なゲレンデの側にあるペンションなので、シーズン中は、毎日のように満室らしい。
そして、経営者の名前を確かめる。
『高田信一』
高田!
……いや、事件の男は信男だった。
しかし、同じ名字。これも偶然だろうか?
…ひょっとして、信男には息子がいて、信一が、その息子か?
父が得た保険金の一部を貰い、父は引退し、息子の方が新しく経営を始めたのではないか?
……偶然が重なりすぎる。
しかし、偶然の域をどうしても越えられない。あと一歩で何かが繋がりそうなのだが……
この事を優香に知らせたら何て言うだろうか?
彼女の性格からして、おそらく……
『関係ないわ。行きましょう』
だろうと、俺は思う。
付き合って、もう長い。だから、さすがに性格もわかっている。
それでも、一応、耳に入れた方がいいと思って、電話をかけた。
トュルルル…トュルルル…
「はい、もしもし?」
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