旅行

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部屋に戻り、しばらくゴロゴロし、時間を潰す。 いつもの時間である7時に目覚ましが鳴った。 「今日は早くご飯を食べないとな」 早めにご飯を食べて、早めに家を出て、彼女よりも早く、待ち合わせ場所に着きたかった。 いつも待たせているので、初めての旅行の時くらいは彼女よりも早く着きたかったのだ。 そうすれば、優香も少しは喜び、出発段階からうまく行くだろうと考えていた。 いつものように、納豆ご飯を食べて、歯を磨き、用意していたスポーツバッグを肩に下げ、家を出た。 すると、後ろの方から声が聞こえてきた。 振り返ると、父と母が玄関前に見送りに出ていた。 「行ってらっしゃい!気をつけるのよ?」 父も、 「ゆっくり、楽しんでこい!」 見送りされるというのは悪く無いものだ。 「ああ。行ってきます!」 俺は、二人に手を振り前に向き直り歩き出した。 そして、約束の時間の15分前には大学前に着いた。 休みではあるが、何人かの生徒が見受けられた。 そして、7時50分。 彼女が来た。 ……約束の時間の10分前。 優香はいつも、こんなに早く来てたのか。 俺がいつも約束の時間丁度に来ても、彼女の方が早いのがやっと分かった。 「あら?珍しいわね。貴之が早く来てるなんて、今までなかったんじゃないかしら?」 やはり、彼女は少し驚いていた。それに、笑顔も見せた。 「たまにはね(笑) これからは俺が優香を待つよ!」 「本当かしら?(笑)」 クスクスと笑い、笑顔がこぼれる。 ……よし!好スタート! 俺は、小さくガッツポーズをした。 「それじゃあ、行きましょう」 「そうだね。行こうか」 俺達は、空港へと向かった。
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