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俺達は飛行機を降り、タクシーに乗った。
運転手に、
「○○ゲレンデへお願いします」
と、言うと、
「わかりました」
と、短く答え、車を発進させた。
少し雪が降っている。ゲレンデでは、もっと降っているだろう。
周りの景色を楽しむ。
「綺麗ね~。真っ白な銀世界って感じ。雪が輝いてるわ!」
彼女は少し興奮気味になっている
ゲレンデへ走らせて、1時間くらいかかったろうか?
ようやく前方に見えてきた。
………凄い人だ。わかってはいたが、遠くに見えるツブツブが全部人かと思うと、気が滅いる。
……あの人混みの中を滑るのか…
俺は下手ではないが、上手くもない。至って普通のレベルだ。
彼女なら関係ないだろう。
……優香に付いていけるかな?
そんな心配をしていると、車が停止した。
運転手にお金を払いタクシーを降りる。
「この側にバス停がある筈なんだけどな?」
二人で辺りを見渡す。
「あ!あれじゃない?」
彼女の指差した方を見ると、およそ100mくらい先にバス停が見えた。
他に見当たらないし、おそらくアレだろう。
俺達はバス停まで歩き、そして、ペンションに電話をかける。
ペンションから、車を出してくれると聞いていたからだ。
電話をかける
トュルルル…トュルルル…
3、4回程コールし、予約した時に出た、オーナーらしき人物が対応する。
「はい。『ペンション鷹』でございます」
「もしもし?
今日から予約を入れている『杉山』と申します。
あの、今ゲレンデ側にあるバス停に着いたんですけど……」
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