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いつもの朝、そしていつもの時間に俺は起きた。
俺の名前は、杉山貴之。
父、母、妹二人、そして俺の、ごく普通の5人家族である。
ベッドに置いてある置き時計が、いつもの時間の7時に、大きな音を鳴らした。
「……う~…ん。……、もう朝か……」
前日、大学のサークルでの飲み会があった為に帰りが遅くなり、あまり寝ていない。
しばらくボ~っとしていると、下から母の声が聞こえてきた。
「貴之~!そろそろ起きなさ~い!ご飯の用意が出来てるわよ~!」
俺は、母に受け答えをし、私服に着替え、下へ降りた。
リビングには既に父と妹二人も揃っていた。
「おはよ」
「ああ、おはよう」
父は低いトーンで返事を返す。
「おはよー、お兄ちゃん」
「おはよー、お兄ちゃん」
妹二人も、声を揃えて返す。
「早く食べなさい。皆、もう食べ終わるわよ」
「あぁ、わかってるよ。頂きます」
普段はいつも家族揃って朝と夜は食事を取るのだけれど、前日の飲み会のせいもあって、ボ~っとしている時間が長かったか?
そう思いながら、食事に手を付けた。
納豆ご飯である。
朝はあまり食欲が無いので、オカズには手を付けず、ご飯に納豆をかけるだけでいつも済ませていた。
「ごちそうさま」
10分ほどで、食事を終えた。
既に、妹二人は食事を終えていた。
もう、部屋に戻り、学校の支度をしてるのだろう。
父は、朝御飯を終え新聞を読んでいた。
いつもの光景だ。
俺も食事を終えた後に部屋に戻り、大学の準備した。
大学は家から、徒歩で30分ほど。あまり急がなくても大丈夫な距離にある。
正直、大学を選んだ一番の理由はそれだった。
自分は通勤ラッシュに乗るのが耐えられないので、近くにある、K大を選んだのである。
近くにある為に、大学の内容の良し悪しも調べ易く、悪くなかったし、高校生の時から付き合っている彼女、三倉優香と話し合い、K大に決めた。
朝8時過ぎ。
俺は、いつもの時間に家を出た。
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